家族が逮捕されてしまった場合にすべきこと
家族が突然逮捕された場合、残された方にとっては非常につらい出来事であるとともに、一刻も早く面会し、事実関係の確認をしたり、家に戻ってきてもらいたいと考えると思います。本コラムでは、家族が逮捕されてしまった場合の対応について記載したいと思います。
家族が逮捕された際にできることは?
警察に逮捕されると、逮捕から48時間以内に事件が送検され、それから24時間以内に勾留請求をするか決定されます。
この逮捕後の72時間は、逮捕者の家族も会うことができません。家族が被疑者に会えるのは、釈放されない限り勾留以降です。勾留されると家族を含む一般面会が可能になりますが、平日の昼間のみで1日一組まで、時間も15分程度という制約があります。
また、接見禁止という処分がつくと、引き続き面会や手紙のやり取りなどが制限されます。そのため、逮捕直後はご家族とはいえ自分でできることは限られてきます。
弁護士に依頼し接見をしてもらう
弁護士に依頼をした場合、上記の逮捕後72時間であっても接見をすることが可能です。
弁護士は、制約なく逮捕された被疑者と接見することができるため、事実確認はもちろん、ご家族からの伝言を伝えたり、今後の手続に関してアドバイスをすることが可能です。
衣類や現金などの差し入れを行う
逮捕された際、被疑者が着替えや現金などを準備していることはほとんどありません。そこで、下着や石鹸などを差し入れすることになります。場合によっては、留置施設内で販売をしているものを購入することもありますので、その場合は現金を差し入れることになります。
差し入れ品のルールについては自殺防止のために紐がついた衣類は不可、といったルールもありますので事前に留置施設に問い合わせをしておくことをおすすめします。
依頼を受けた弁護士が出来ること
上記の通り、弁護士であれば逮捕され身柄を拘束された被疑者と接見をすることが可能です。
以下では、依頼を受けた弁護士ができることについて具体的にご紹介します。
接見で状況を確認できる
弁護人又は弁護人になろうとする者であれば、接見することが出来ます。
接見をすることで、事実関係の確認や、現在の健康状態、家族へ伝えたいことなどを確認し、その様子をご家族に伝えることが可能です。
ただし、当然のことではありますが、証拠隠滅につながるようなことについてはお伝えすることが出来ません。
早期の釈放に向けた活動ができる
逮捕・勾留がなされる場合、勾留の決定に対し準抗告を申し立てたり、保釈の請求をしたりすることで、一刻も早く釈放されることを目指した活動を行うことができます。
逮捕されるとどうなる
被疑者が逮捕されると、逮捕から48時間以内に事件が送検され、それから24時間以内に勾留請求をするか決定されます。
さらに勾留が決定されると,まずは10日間勾留されることになり,さらに追加で10日間勾留が延長される可能性もあります。この勾留期間中に起訴されるかどうかの判断がなされることになります。
会社や学校にバレる?
基本的に捜査機関から職場や学校へ連絡がいくことはありません。
ただし、逮捕・勾留中は外出できませんので、仕事を欠勤したり、授業を欠席したりすることにはなります。そのため、有給休暇があればそれを利用することも検討する必要があります。
会社は解雇になる?学校は退学になる?
会社によっては、逮捕をされたことをもって懲戒解雇事由と定めている場合もありますが、事実関係に争いがあるような場合は誤認逮捕である旨弁護士を通じて伝えることになります。
その場合は基本的には解雇という処分まではとられないものと考えられます。学校の場合も同様で、学生が逮捕された場合の処分については学校内のルールで定められており、学校の裁量にゆだねられることになります。
前科が付いてしまうとどうなる?
逮捕後、起訴され有罪判決を受けると前科がつくことになります。
前科がついてしまった場合、履歴書に「賞罰」欄がある場合は記載をすることになるため転職の際に影響が出る場合があります。また、一部の職業に付けなくなったり、海外渡航をしたりする際に影響が出ることになります。
弁護士に依頼するメリット
家族が逮捕された場合は、すぐに弁護士に対応を依頼することをおすすめします。
弁護士であれば本人とすぐに接見ができるほか、事件に関するアドバイスや身柄解放に向けた手続をとることも可能になるといったメリットがあります。
本人と連絡を取ることが可能に
弁護士に依頼をする一番のメリットは、逮捕された本人とすぐに接見しコミュニーションを取ることが出来る点です。
逮捕された後は捜査機関からの厳しい取調べが行われ、周りに味方がおらず精神的にも厳しい状況になることが考えられます。弁護士であれば、逮捕された被疑者の味方として話を聞いたり、助言をすることが可能です。
身柄の早期解放の可能性が高まる
勾留が不当に長期になることは、被疑者にとって非常につらいものとなります。
弁護士が勾留に対し準抗告を行ったり、保釈の請求をしたりすることで、身柄が早期に解放される可能性が出てきます。
不起訴になる可能性も
早い段階で弁護士が関与することで、仮に事実関係に争いがない場合であっても、被害者と示談交渉をし、示談を成立させることで不起訴処分となる可能性がでてきます。
また、事実関係を争う場合は取り調べへの対応について助言をし、不当な自白をしないようサポートをすることも可能です。
これらのメリットから考えても、逮捕されて不安な状態になっている家族のため、速やかに弁護士へ対応を依頼することお勧めします。